内視鏡室に勤務する看護師の役割で特に重要なのは、処置の介助および患者の苦痛を和らげることだ。
内視鏡に抵抗のある患者は少なくないため、処置中の患者をリラックスさせ、不安を軽減させる必要がある。「いったいどのようにリラックスさせればいいのだろう?」と新人看護師は不安に思うはずだ。まずは、処置前に患者に自己紹介をしよう。
処置中は、患者に深呼吸を促し、患者の呼吸に合わせてタッチングを行うと良い。
呼吸に合わせて肩から腕をゆっくりとマッサージするようにタッチングしよう。手当てという言葉がある通り、痛みのある場所をさすってもらったり、手をあてたりするだけでも苦痛はかなり軽減されるものだ。体を優しく触れると、脳内では神経物質オキシトシンが分泌される。オキシトシンには抗ストレス作用があり、愛情ホルモンとも呼ばれる。
内視鏡は苦しい、つらいというイメージを持つ人が多い。
看護師は患者に安心感を与え、検査や治療を受け入れてもらえるように働きかけなければならない。特に初めて内視鏡検査を受ける患者や、未成年の患者は、安心感を必要としている。声かけも重要だ。誰でも未知のものには少なからず不安を感じる。検査の流れ、注意点を分かりやすく説明しよう。
たとえば「麻酔の効果でのどに違和感がありますが、だんだん慣れてきますよ」「「胃に空気が入るからお腹が張りますが、できるだけゲップを我慢してくださいね」など処置の手順や患者の様子に合わせて声かけをするとよい。